情報処理安全確保支援士の実践講習に申し込んでみました。
サイバー攻撃、セキュリティリスクなどは形や手法を変えて日々変化するものなので、守る側もセキュリティ知識を更新するようにしましょう、というもので以前は集合講習で実際に講師から直接指導を受ける事が出来たのですが、現在はコロナウィルス感染症などの関係でオンラインとなっています。
情報処理安全確保支援士の講習とは
情報処理安全確保支援士試験合格後、情報処理安全確保支援士に登録すると
毎年 オンライン講習 ¥20,000
3年に一度 民間事業者が行う特定講習(約¥50,000~) or IPAが行う実践講習 ¥80,000
が必要となります。
登録メリットが少ない割にはちょっと高いですよね・・・
ちなみに情報処理安全確保支援士に登録すると信用失墜行為の禁止や秘密保持などに関する義務が課せられ罰則規定もあります。
工事担任者も似たような規定があるという話を職場の人から聞いたのですが、条文見つけられなかったです。一応総合種持ってるんですけど全然覚えてないや・・・
オンライン講習
オンライン講習は2022年
情報処理推進機構(IPA) 情報処理安全確保支援士講習事務局です。 本日2022年5月10日(火)から、 「オンライン講習(2022年度)」のお申込み受付を開始いたしました。 講習受講期限は、2023年3月31日までです。
こんなメールが5月に届いていたので申し込み方法に従って申し込みました。
実際のオンライン講習はさらっと読み流してポチポチ、で大丈夫です。
内容自体は情報処理安全確保支援士試験の午前の内容とそんなに変わりませんでした。
実践講習
IPAからメールで
実践講習Aは2部構成で
個人学習(e-ラーニング形式)
グループ討議 (Web会議形式)10:00~17:00
という情報や申し込み方法や支払い方法が記載してあるメールが届きました。
で案内に従って申し込んでお金を支払うと以下記載のあるメールが届くのでログインします。
-------------------------------------------------------------- ■講習名:実践講習A ■URL:https://riss2022.emanabi.jp/ucd-lms2022/user/login ■ログインID: ■パスワード:ご自身で設定したパスワード --------------------------------------------------------------
こちらで実践講習の個人学習をやっておくのですが、特に教材PDF見ないで適当に解答しても8割は取れました。
内容的にもオンライン講習同様情報処理安全確保支援士試験午前レベル。
ちなみに、オンライン講習は情報処理安全確保支援士のポータルサイトから申し込むのに、実践講習はそうじゃないのかわかりにくいし不親切。
ポータルサイトの講習をクリックして実践講習の申し込みが無い事に戸惑ったのは私だけじゃない筈。
(後ほど講習後のアンケートにもポータルサイトから飛べるようにして欲しい旨記載しました。)
事前接続テスト
オンラインで講習を開催するに当たって受講者側の環境の整備が結構面倒です。
使用機器:ネットワーク接続可能なPC(サブディスプレイ使用推奨)
※タブレット・スマートフォンは、PCと併用で使用する場合のみ可能
(単独使用での受講は不可)
マイク、カメラ(法定講習のため受講状況を確認します)
受講場所:周囲の雑音等がない、自宅、会社の会議室、貸し会議室等
オープンスペースでの受講はダメ
使用ツール:Cisco Webex (Web会議ツール)
DirectCloud (グループ討議ファイル共有用ツール)
※上記2つのツールの確認を事前に行う。
我が家の古い自作PCにはwebカメラなどという親切なものは無いので、eMeetC950という機種をオークションサイトから約1,500円で購入。
商品到着後動作確認を行ったら特に問題無くzoomでは使えてたのでWebexでも使えるだろうと思ってインストールして起動しテストしてみたら大丈夫っぽい。
WebexもDirectCloudも初めて使うツールだったりするんで、さらっと使い方の説明に目を通しておく。
サブディスプレイ使用推奨との事ですがモニタは23インチ2枚使用してるのでモニタ環境は大丈夫。
あとスピーカーだとハウリングを起こす可能性があるからイヤホンを使って下さいとの事でPCのスピーカーにイヤホンジャックがあったのでそこに昔の携帯電話に付属していたイヤホンを挿してみたらちょっと雑音があるもののとりあえず聞こえたのでOK。
あと回線は安定した通信状況を保つ為、有線LANでやってね的な事もメールに書いてあったんですが、こちらも我が家は光回線導入済みでルータからPCへは有線接続で回線も安定してるのでOKなのですが、最近だとポケットwifi利用家庭とか多いんじゃ・・・
何はともあれ環境の整備が整ったのであとは当日まで待つのみ。
遂に実践講習
何故か開催月はやたら仕事が忙しくてバタバタしていて帰りが遅い日が多かった事もあり申し込んだ事も忘れてたりしていたのですが遂に実践講習の日が来てしまいました。
実際の講習内容は支援士講習に関するルール上あまり具体的な事は書けないのですが、結構面白かったです。
4~5人のグループで討論するのですが議論が白熱します。
色々な観点から語られるので聞いていても面白いです。
事前にもっときちんと勉強してから参加すれば良かった。
発表に際してはグループ内メンバーからフォローも入ったりしてかなり助けられました。
これから実践講習を受けられる方はPDFをきちんと読んで自身の意見と議論して詰めたい内容を事前にテキストに起こしてそれを元に意見発表出来るようにしておいた方が良いかと思います。
インシデント対応・予算等に関してとか、推測・憶測だったりが入り込む余地が多い設定なのでちょっと参加者皆さんのトークの方向性がずれやすいんだけど、それを講師がうまく軌道修正してくれる。
事前にネットで見た中では講師陣のパワハラみたいな情報もあったのですがそんな事も無く、至って普通。
ロールプレイングに関しては参加者の自主性に任せてる感じで、講師陣は軽く助言する程度です。
それも特に角が立つ言い方とかでも無く良くも悪くも本当に淡々としてます。
事前学習用PDF、てっきりオンラインで個人学習でポチポチ解答するだけの学習用PDFかと思って開いていなかったのですが、討論の内容や議題のようなものがしっかり記載されていて、きちんと目を通さなかった事を激しく後悔。
あとやっぱり複数回参加されている方やセキュリティを業務で長くやってらっしゃる方は慣れてるし喋りも上手くてレベチだったりします。
講師陣より余程知識も経験もありそうな感じの人が普通に複数いるのビビる・・・
ただ、業務でやっていない人でも支援士合格者という事で、一定以上のレベルの人達が集まっているので討論は勿論ですがちょっとした雑談も面白い。
今回は最初の参加だったという事もありテンパり気味でしたが次回は慣れない人にちょっとでもフォローする側に回れるといいな、と思いました。
実践講習後
正直、独占業務の無い資格維持の為だけに8万は高いと思ってましたし、今でも少し思ってます。
ただ内容だったり講師陣やサポート人数・準備期間などを考えたら妥当かなぁという気もしてきました。
実際こういうイベントを対面でやるとなったら北海道で開催となると多分札幌のみとなるでしょうから、地域に依らず参加出来るのも有難いです。
事前準備がそこそこ面倒で環境を整えるのも結構手間がかかるにも関わらず、運営・参加者の皆さんの環境にトラブルも無く終了出来たのはさすがだなぁと素直に思いました。
最後にアンケート提出を求められるのですが、こちらもささっとチェック入れたり記載して終了。
正直な感想
運転免許の更新の講習的な感じで講師の話を聞く+たまに講師陣にコメント求められるのかな?程度のイメージしてたんですが実際に参加してみると想像していた空気感とは全然違ってて沢山の知見を得られて楽しかったです。
事前に目を通していた実践講習に対する意見が批判的なものが多かったので正直あまり期待はしていませんでした。
ネットで見かける意見で「ロールプレイそのものに意味はあるのか」「実務ではこんな事はやらない」「参加者のレベル差がありすぎて業務でやってる側の人間は得られるものがない」的な批判は見たことがあるのですが、技術的な面だけでは無くそういう状況も含めてよく出来た講習会だと個人的には思います。
セキュリティと一言で言っても、関わってるレイヤーが違う人々やそもそもの職種や技術力が違う複数の人間が集まって共通のテーマでディスカッションする訳ですから全員が納得・満足して終われる講習会なんてあり得ないと思うんです。
そんな中でも最初は試験内容に寄せたものから、そしてそこから少し発展させたものまで、支援士合格者が話しやすい内容だったように思います。
始まって間もない支援士登録制度なので色々な意見が出て講習会自体もブラッシュアップしていけばいいなと思いますし、私個人としては参加して良かったと思いました。
ちなみに民間事業者等が行う特定講習も用意されているのでこちらで自らが行っている業務に近いものや興味のあるジャンルに特化したものの講習に出席する事もできます。
もし、支援士登録を迷っている方で金銭的負担に問題が無いという方は一度登録してみるのも良いと思います。(責任は取れませんが・・・)
ちなみに支援士会というのも入ってはみたのですが現状としてはメリットはあまり感じていません。
合格後にこの会に入るとこういうメリットあるよ!という事をもっとアピール出来るくらい盛り上がってくれるといいなと思います。
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